三日坊主n回目

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今月の頭、歌舞伎NEXT 阿弖流為(あてるい)を見てきた。

歌舞伎と言えば文化的なものであるように思われるが、元々は大衆芸能である。

今の日本人が映画に恋愛物やバディ物、推理物、男同士のドラマなどを期待するのと同じく、昔の日本人は歌舞伎に恋愛や人情といったテーマを求めて見に行ったのだ。

阿弖流為はそんな、大衆芸能としての歌舞伎を現代人に感じさせてくれる非常に良い演目になっている。

 

阿弖流為のあらすじは「征夷大将軍坂上田村麻呂蝦夷の長・阿弖流為が武士として、男として、立場を超えた友情をぶつける激アツバトルストーリー」なのだが、この時点でかなり旧来の歌舞伎からかけ離れている。女っ気が薄い。

だいたい歌舞伎は恋愛が絡むところを、阿弖流為は現代よりのテーマとして男同士のお約束という方向に振っており、どちらかというとジャンプ漫画のような話になっているのだ。

そしてなにより、平成に入ってから作られた最新の歌舞伎なので、すべて現代語で喋り、背景ではガンガンギターが鳴っている。

演者は公演場所や時事ネタからその日の気分でギャグを取り入れたりして、客を喜ばせる。

といった具合に、難しさを廃した上で歌舞伎らしさを出してくれる、そんな演目がこの阿弖流為なのだ。

 

花道を駆ける勘九郎や大見得を切る染五郎を見て格好良いな!って思いながら、ラストには武士として立ち会う田村麻呂と阿弖流為に燃え、泣く

その間にも歌舞伎役者の演技力、表現力の高さに驚く

そんな、本来の、大衆芸能としての歌舞伎を楽しめる

歌舞伎の楽しさを身近に感じられる演目でした

 

 

でも歌舞伎って大人気の演目じゃないと再演になってくれなくて10年くらいやらないから困るんだよね

なので再演したら是非見てください