三日坊主n回目

ここを見てる2人か3人程度のユーザーの為にもマトモな文章を書く練習をする場所

先日、キングスマンという映画を見た。

マシュー・ヴォーンと言えばキックアス、あとガイ・リッチーとのタッグがやはり強烈な印象を残していると思う。キングスマンも今まで作ってきた作品と同じくアクションを前面に押し出している。

そして何よりマシュー・ヴォーンは趣味をバリバリ押し出した作風が強く、話の流れの中に全く必要の無い量の死体を作り上げたり、また不必要なまでにフィクショナルなアクションシーンを入れたりする。よって話が気になる人にとってはやや退屈…かと言われるとそうでもなく、テンポの良さやアクション自体の出来が良いので気にならない。この辺の匙加減の上手い監督だと思う。

 

さて本題のキングスマンという映画。イギリスにある独立したスパイ組織という設定だけでクラッと来てしまうが、そこには労働者階級がひょんな事から成り上がるという、キックアスに比べて一般受けしやすい設定も含まれている。

主人公のエグジーはド貧民の労働者階級スラム育ちで訛りの強い英語を喋るが、それを引っ張り上げるキングスマン・ハリーは美しいキングス・イングリッシュを喋るという対比や、たびたび口に出す「マナーが人を作る」という一文、ハリーが階級社会を強く批判する冒頭のシーンなど、かなり一般受けしやすく配慮しているように感じた。

しかしマシュー・ヴォーンの作品。やりたい事は徹底して詰め込んでいる。ハリーが暴徒に囲まれた中で一騎当千の大立ち回りを演じ女子供もろとも全員殴り飛ばすシーンをはじめとした容赦の無いアクション、必要以上の犠牲といった部分は期待通り。この監督、基本的に女子供に対して容赦がなく、ハリウッドのメジャーシーンでは必ずあるであろう葛藤が一切ないので、今回はシチュエーションも含めてとんでもなかった。

そしてスパイ組織という設定はガジェット面に強く反映されており、銃弾が撃てる傘(こりゃどっちかっていうとブラックラグーンじゃないのってくらいの火力)、ナイフの出る靴、ライター爆弾etc…、一応現代という事でデジモノもあり、紹介してるシーンだけでも結構面白い。

 

総評すると、若手の監督が古臭いエッセンスと趣味を大量投入して作った往年のスパイ映画という感じ。

アクションがみてーんだよ!って人には手放しでオススメ出来ます。以上。